あなたの存在が

 
 
もう一度だけ
 
(好き、という気持ちの根底を思い出すのに必死です。何処から何処までの話でしょう。例えば、何処から始めても終って居たあの話を愛だなんて呼んだように、これは何処から始めても終ってしまう恋だなんて話なのですか。僕が君を、君をどうして愛して居るだなんて言えますか。好き、という気持ちの根元など何処にも無いとして、僕が理解するのは一体何なのか。また、苦笑いという形のチープな結末なのか。)
 
どうして、そんなに不安なの?変わらないものなんて何処にも無いのに。あなたにただ口付けられて、幸せそうにして居ればいい。何度でも繰り返す本能的な過ちに、全部投げ棄ててしまえばいい。悲しい顔はしないから、やさしくなんてしないでいい。「待って」て言っても「待たない」なんて言って、あたしの足を掴んで深くいれてくる君が好きだ。「だめ」て言っても「何が?」なんて言って、また体勢変えてあたしのことよくしちゃう君が好きだ。あたしのこと、こんなに気持ちよくしちゃう君が好きだ。君が好きだ。いれる直前、無意識に身体中で君のこと拒否しちゃう癖、ごめんね。「お前だけでいい」て言ってくれたの、嬉しかった。“浮気相手”の話なのは分かってる。「お前となら一日中でもやれそう」て言ってくれたのも、嬉しかった。あたしもだよ。「彼氏造んなよ」なんて言われちゃったから、あたし絶対造れないよ。卑怯だ。「海行こうぜ」て、今年の夏の約束。君の車で、何処まで行こうか。あたしはもう、凄く幸せで、ただ、君に言ったのは、「家庭を大切にね」。
 
あー、なんかもう死にそう。昨日、仕事が終わった後飲みに行って(最近じゃ“お一人様”でバーだとか個人で営業してる居酒屋だとかに行くのが好きなあたしは、昨日もまた仕事が終わった後に居酒屋に入って)、少ししたら奴と職場の男の先輩が来て一緒に飲んで。その前の日もひとりでバーで飲んでたらふたりが来て、一緒に飲んだのだけど。久々にあたしは潰れまして、そんなあたしを見た先輩が心配してくれて3時過ぎに早々に切り上げることになって。先輩と別れた後、奴とふたりでまた別の居酒屋に入ってふたりで飲んで。で。で。で、タクシーでホテルへ。奴が眠いみたいだから行ったのだけど、まあ、ねえ。タクシーの運転手さんがかなり面白いひとで、浮気について奴と語ってたけど、まあ、ホテルに着いて。シャワー浴びて。眠かった筈の奴は、なんかもう眠くないみたいで。自然の流れに。3時間くらいしてたのかな、「休憩させて」つっても休ませてくれなくて。若いよ、20歳。あたしの方が若い筈なのに。疲れた。シャワー浴びてからまたやったのだけど。疲れた。でも、だめ。奴だとあたし、笑えないくらいくらくらしちゃう。好
き過ぎて、よく分かんないくらい、いい。奴曰く、あたしと奴はラヴラヴらしいし。店長に「ラヴラヴじゃない?(笑)」みたいなこと聞かれたらしくて(仲良過ぎない?て意味にも聞こえるのだけど)、「ラヴラヴですよ」とか答えたらしくて。…死ね。死にたまえ。奴のキャラなら通るけどさ、洒落にならん。職場の男連中によくそんな類のことを言われるらしいのだけど、全部そんなノリで返してるみたいで。嬉しいけど、洒落にならなくない?日本語おかしいけど、洒落にならないって。嬉しいけど!
 
「俺、お前のこと好きだよ」とか言われても、「嘘だろ」としか返せないあたし。だって、そんなの嘘だもん。「お前の胸が好き」とか言ってくる時の方が納得出来る。奴の中であたしの胸がパッと見より結構デカかったらしくて、気に入ってるみたい。「好き」だなんて、あたしのこと喜ばせたいのかな。そんなことしなくたって、あたしはちゃんと息をして居られるし、ちゃんと立って居られるし、君のこと好きな気持ちだって変えられないよ。「なんでこんな奴が好きなんだろ…」とかよく思うけど。海じゃなくても、奴とはドライブに行ってみたいな。デートはしなくていいの、…恥ずかしいし。あたし、馬鹿みたいなのだけど好き過ぎて奴の顔が真面に見れなくて。してる時が一番好き。キスして、絡んで、絡んで、絡んで。笑いあいながらふざけながら、繋ぎっぱなしで。幸せで。厭んなっちゃう、こんなあたしはらしくない。らしくない。
 
今日は恭助と健全に映画館デート。そういえば、奴は恭助が嫌いみたい。うん。あたしが恭助と普通にふざけながら話してると、奴が超こっち見てんだよね。「あいつはない」とか言ってるし。恭助は仕事に対してやる気があんまりないからなぁ。仕事面で皆から評判良くないのよね。あたしとしては最近、恭助の気持ちが痛くて微妙に避けてるのだけど。今日は約束しちゃったし、仕方ないから映画館デート。仕事前に何が悲しくて早起きして映画なんざ観なきゃあかんの。面倒臭い。でも、約束は約束ってことで。寝とこ、昨日はなんだかんだで30分しか寝れなかったし。うげろ。
 
だぁいきらい